高嶋 Q太
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高嶋 Q太

作家。演出家

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後付け・劇団FAX主催の短編持ち寄り公演「サフランライス」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。最近、高嶋さんはどんな感じでしょうか。
高嶋 
よろしくお願いします。最近は、今月の23日から24日に、後付け・劇団FAX主催の短編持ち寄り公演の準備ですね。
__ 
もうじきですね。どんな公演になりそうでしょうか。
高嶋 
今年の学生演劇祭で上演したコント作品の内の一つを膨らませた公演になりそうです。マクドナルドになりたいという女性が色々相談をするというコントを元にした作品になります。前回の公演よりも、コント公演に近くなると思います。
__ 
後付けにおける、コント公演の定義とは?
高嶋 
曖昧なんですが、僕としては、笑わせるために、日常のやり取りや反応からある程度外れたものを行うことをコント公演と定義しています。
後付け

京都で活動する演劇団体です。主宰は高嶋Q太です。コメディを行います。(公式Twitterより)

後付け・劇団FAX主催の短編持ち寄り公演「サフランライス」

後付け・劇団FAX主催 短編持ち寄り公演 「サフランライス」 【会場】 ブンピカ (京都大学旧文学部棟学生控室) 【日時】 2017年 12/23(土) 11:00〜 / 15:00〜 /19:00〜 12/24(日) 11:00〜 / 15:00〜 /19:00〜 【料金】 予約:300円 当日:500円 【予約】 『後付け・劇団FAX共同公演『サフランライス』』チケット予約フォーム

表面と内面から

__ 
後付けの作品を作るにあたって、今楽しみなことは何ですか?
高嶋 
本番の上演にて、役者たちの台詞でどういう反応が返ってくるのかというのが、まず楽しみです。今回は不条理といえば不条理な、まず形式的なコントではないので、果たして受け入れられるのかどうかと言う壁がありまして。爆笑なのか失笑なのか、その後にどういう感想を頂くのかも楽しみです。
__ 
そのために大切にしていることは何ですか?
高嶋 
まず、一般的なコメディーを作る上で、お客さんの反応を想像した間や演技などの表面的な部分を作り上げることが大切だと思っていまして。一方、もう一つの内面的なことで言うと、お客さんを掴みにいく意識。同じ空間に引っ張り込む感、そういうものを何となく大切にしていきたいなと思っています。
__ 
内面。同じ空間に引っ張り込む。
高嶋 
僕自身がたまに経験することなんですが、何かでラーメンを食べていて、何も面白いことはないんですけどなぜか笑けてくるみたいな。特に面白いこともないけど、家族や友達でぼんやりテレビを見ている空間に飲み込まれる。言葉であまり説明しにくいですけど、一体化してしまい、そこからふっと離れた瞬間に笑いが起こるような。
__ 
想像上の繋がりというやつですね。実際には存在しないが、ある種精神的な構造が各々の差はあれ一致する点が多くなり、同時空間において同じシチュエーションに身を置き、自分の意識と他のメンバーの意識の方向性が一致し、そこに一時、原始的な退行が発生してしまう、というところでしょうか。私はこれまでの人生で一度だけ合コンを体験したことがあるんですが、それはまあまあうまくいった方だと思うんですけど、2次会にカラオケに行ったし。後付けの公演をそういう風な方向で成功させるにはどうすれば良いのでしょう。
高嶋 
表面上のことであれば、設定をダブらせるという状況を作り出すのが、僕らにとっては一つの鍵なのかなと思っています。演劇祭に出した作品を例にとると、京都タワーについて語るというシチュエーションのコメディをやったんですが、演劇を見にきたのにその女の子のスピーチを見ることになってしまったという・・・そういう構造があったからうまくいったのかなと思っています。次の公演も、ブンピカという特殊なスペースでやりますので、そこに溶け込むようなことができたらいいなと思っています。内面的なところでは、まず、クオリティを保ち、ノイズを発生させないことと、役者その人が舞台に出てきてワーっとやっている感じ。

舞台外の彼ら

__ 
ユニークな後付けの表現。これをどうやって受け取ってもらいたいか、意識がなんとなくわかった気がします。愛してもらいたいみたいな事なんでしょうか。
高嶋 
はい、その辺りは企画の立ち上げ当初からありましたね。
__ 
なるほど。まずは伺いたいのですが、後付けはどういうところから始まって行ったんでしょうか。
高嶋 
起点は、僕がまず入谷旭くんや、劇団洗濯氣のじゅういちくんとかと知り合って話すうちに、舞台上ではない日常で話している時間の面白さと愛しやすさ、それをまるっきりじゃないですけど舞台に持っていったら面白いんじゃないかなと思って。それが初めでしたね。まず僕が面白いコメディが作りたいなというのがあったんですが、これまであんまりバシっとこなくて。そういう人たちの生の姿を伝えたいと思ったし、それを伝えるのは僕が割とうまいんじゃないかなと思ったんです。ただ、やっぱり役者発信の引け目みたいなはあります。役者には常に感謝してます。

現実をかたどり抜く

__ 
これからどんなことをしていきたいですか?
高嶋 
役者主動の発信ですので、この人が面白いなという人と一緒に何かをやれればなと思っています。今のメンバーも面白いですが、違う組み合わせや新しい人ともやりたい。ただ、それだと僕が作家だと言えるかどうか、というのもあるのかな。あと、今のところは演劇を通じて伝えたいテーマとかはないです。
__ 
可能性を見たいなと思っています。目指している最後の着地点が毎回同じ、というのはどうなんだろう。
高嶋 
そうですね。でも、着地点は一緒でも、一周したところで何かが変わっている、みたいなことはあります。常に、終着点が目論見と違うという事はあると思います。写真のような絵画のように。現実を抜き出すことについても、ちょっとずつ異なる結果が出てくる。
__ 
では、作品が観客にどのような存在となるのか、そこに夢を見出せるような、チャンスのある作品であるべき。そういう考え方についてはどう思いますか?
高嶋 
僕は7:3で、それを探さなくても良いという考えにいきかけていますね。
__ 
なるほど。それを踏まえて、今後はどんな製作を続けていかれますか。
高嶋 
まず、淡々とやって行くということに加えて、僕の挑戦の仕方として、僕の知らない人とか世代が違う人と一緒にやって、その人達の面白さを生かした作品が作りたいなと思ってます。今のメンバーも好きですが、その人達に限らず探っていきたいなと思ってます。

謎の拍手

__ 
最近考えてることを教えてください。
高嶋 
最近は、意識について思っています。人は何故、何かを考えるんだろう、みたいな。なぜ意識があって、どういう仕組みで動いてるのか、とか。別に検証していないから、単に思っているだけですけど。
__ 
なるほど。
高嶋 
お客さんの意識で何が起きているのか、みたいな事にも興味があって、学生演劇祭で出した「めだまやきくん大集合」で、京都タワーについて語るコメディで、女の子が出てきて「エントリーナンバー1番」と言ったときに拍手が起きたことです。状況がダブったんですよね。なぜ拍手が起きたんだろう。僕には、それまで見ていた作品の流れを断ち切って全く異なる作品に移行した、みたいな事が起こっていたような気がして。
__ 
無茶な見立てを課せられ、また共犯関係を強いられたから、そこで反応が起きて観客席側から舞台側に仕掛け返した、という感じかな。後付けのスタイルに慣れていたからこそ、そうした、観客席側から笑いを取る、というアクションが生まれたのだと思います。同じ高さの目線の位置ができていたからこそ。背景には嬉しさがあると思う。
高嶋 
一緒の空間ということですね。僕にとってはそれは没入感でした。
__ 
ああ、同じ方向を向いている。たぶん様々な要素はあった。
高嶋 
ただ、少なくとも没入感がなければ共時感覚は産まれないと思いますし、でも入り込みすぎるとそれはそれで違うし。良いバランスを求めるという事で・・・いや、求めるというとおこがましいというのがあるから、「良いバランスがあったら良い」、です。

質問 菊池 航さんから 高嶋 Q太さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、ダンサーの菊池 航さんから質問をいただいてきております。「今一番興味のあることはなんですか?」
高嶋 
ラーメンです。

ダウンタウンとやみいち行動

__ 
この5年で影響を受けた作品を教えてください。
高嶋 
ダウンタウンの「ガキの使いやあらへんで」の30分ぐらいのコントで、浜田雅功のなぞなぞワールド。なぞなぞにはまった浜田雅功にみんなが振り回されるみたいな。それに影響を受けたかもしれないですね。構図よりも見せ方に興味があって、浜田雅功がなぞなぞにハマったパラレルワールド。ちょっとだけ変わった日常の世界だったんです。フェイクドキュメンタリーというんでしょうけど、その生の感覚もある構造。アドリブを対応している感がありました。舞台でやったらあんまりよくないのかもしれないので、影響を受けてるかどうか微妙ですが。
__ 
モキュメンタリーという奴ですね。後付けもモキュメンタリーに近いかどうかは置いておくとして。舞台以外の人間の身体性をメディアに載せた時の鑑賞体験に興味があると。
高嶋 
隠しカメラで撮るとかそういうことじゃないんですよね。あとは、やみいち行動に影響を受けています。
__ 
京大系演劇のエキスですね。

雪だるまの人形

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
高嶋 
ありがとうございます。(開ける)おお・・・。
(インタビュー終了)